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2008年09月 バックナンバー

2008年09月10日

ウーロン茶のダイエット効果

某トクホのウーロン茶は「食事の脂肪吸収を抑える」という謳い文句で、大手メーカーから大々的に売り出されていますよね。でも本当に効果あるんでしょうか?

このウーロン茶は、小腸で脂肪を分解して体内に吸収されやすくするリパーゼという酵素の働きを阻害する、だから脂肪の吸収が抑えられるというものです。

どんな栄養素(タンパク質、炭水化物など)もそうですが、小腸から体内に吸収されるためには、必ず酵素で分解されなければなりません。例えば、タンパク質はペプシンという酵素によってアミノ酸に分解され、炭水化物はアミラーゼという酵素によってブドウ糖に分解されてから吸収されます

では、このウーロン茶にどのような効果があるかというと、「食後に吸収されて上昇する血中の中性脂肪値が20%程度抑えられる」ということなんです。結果としてダイエットになると言いたいのでしょうが・・・。

血中の中性脂肪が食後3時間から5時間にかけて20%程度抑えられる(メーカー側説明)ということは、食べた脂肪のおおよそ(最大で)20%がカットできると考えてもいいでしょう。そうなると問題は、脂肪の摂取量がどのぐらいあるかということですね。

※カロリーに関係するのは脂肪だけでなく、炭水化物やタンパク質もありますし、最近では食物繊維でも炭水化物の1/2のカロリーがあるとされています。

国民栄養調査による日本人の脂肪摂取量は年々増加しつつも平均1日60g。ということはカロリー換算で脂肪1g当たり9kcalですから540kcal。つまり、このウーロン茶を飲めば1日あたり「540×20%=108kcal」のカロリーがカットできるということになります(体内の脂肪がカットできるわけではありませんよ! お間違いなく・・・)

つまり、ご飯2/3杯分のカロリーをカットできる価値をどうみるかなんです-ご飯1杯分は2単位で160kcalです。

私は電話で、この販売メーカーに問い合わせてみました。
「どういう飲み方になるのか?」と聞いたところ、1日3回の食事の時に1本づつ飲むということでした。

値段が1本150円ですから1日3本で450円。1ヶ月だったら450円×30日=10,500円。しかも、1本あたりのカロリーカット量は平均36kcal。
 玉子だったら1/2個、午後の紅茶1/2本、板チョコだったら2カケラ程度にすぎない-玉子半個分のカロリーを減らすために何と150円。玉子の値段っていくらでしたっけ、かなり矛盾していませんか!

こんなわずかなカロリー低減効果(それも、脂肪の多い食事をした時にだけ多少の効果が考えられる)に対して、1ヶ月に1万円以上ものお金を支払うべきなのか? しかも、それ以外に何にも役立つもの(栄養素など)は入っていないんですよ。

ましてや、このウーロン茶を食事毎に350ml飲まなきゃならないことを想像してみてください(テレビでその場面を宣伝しているけどね・・・)。私だったらごめんこうむりたい。食事が不味くなりそうです。

さらに健康への問題もありそうです
このご時世、食べた脂肪をどうカットしたらいいかの研究はいろいろやっています。そして熊本県立大学の研究では、次のことが報告されています(以下は少し専門的になりますが・・・)。

リパーゼは、セリン酵素と呼ばれる一群の酵素の一つ。このセリン酵素の中には、トリプシンやモトリプシンなどタンパク質を分解する酵素も含まれている。したがってリパーゼに作用することは、このタンパク質の分解酵素も阻害され、タンパク質の腸管吸収の低下で“栄養障害”におちいる危険性がある

つまり簡単に言えば、このウーロン茶のようなリパーゼを阻害して脂肪の吸収を低減させようとするものは、その一方でタンパク質の吸収をも阻害させてしまう危険性が考えられるということです。

メーカー側の説明をただ鵜呑みにして、1日に3本も、それも毎日飲んでいたらどうなるだろうか? 飲むにしてもほどほどにしておいたほうがよさそうですね。取りも直さず、このウーロン茶を飲んでダイエットになることはまずありえないでしょうね

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